HSPで仕事がしたくない、しんどいと感じ、心がもう限界を迎えていませんか?
HSPは感受性や共感性が高いため、職場環境や仕事内容によっては強いストレスを溜めてしまいがちです。
我慢すると、あっという間に限界を超えてしまい、「何もしたくない」「怒らえたことばかり何度も考えてしまう」など抑うつ症状が出てしまうことも。
そこで、「HSPで仕事をするのがつらいときに取るべき対処法」をご紹介します。
さらに「HSPが快適に仕事を続けるためにすべきこと」として、実際にHSPの私が実践して楽になったことをご紹介します。
HSPの性質を恨まずに、HSPの特性を理解して快適な職場環境で働きましょう。
もくじ
HSPは病気でなく気質。まずは前提を押さえよう
HSP、繊細さんという言葉も広まっていて、自覚のある人も多いと思います。では、HSPが病気ではなく、生まれ持った「気質(性質)」であることをご存じですか?
HSPは心理学者のエレイン・N・アーロン博士が提唱した理論で、4つの性質を持っているといわれています。
D(Depht of processing):深く考えて行動する
O(Overstimulation):過剰に刺激を受けやすい
E(Emotionally reactive and high Empathy):相手の感情を受けやすい
S(Sensitivity to Subtleties):ささいな刺激を察知する
感受性や共感性が高いために、言わなくても察してしまうことが多いHSP。
強いストレスや人間関係の悩みから「治したい」「変えたい」と思うかもしれませんが、HSPは1つの個性であり、治す必要はありません。
治そうとするよりも、性質を理解して、つらいときに取るべき対処法を知ることが肝心です。まずは、HSPが仕事でつらくなる典型的な理由や状況を押さえていきましょう。
HSPで仕事がつらい!辞めたいと感じる理由
職場の人間関係がうまくいかず、仕事もつらくて、辞めたいと感じていませんか?HSPが仕事をつらいと感じる状況には、共通点があります。
- 頼みごとを断れない
- 空気を読むのに長けてストレスを受けやすい
- 些細なことにも傷つきネガティブ思考になる
ストレスを抱える原因となる理由を、1つずつ見ていきましょう。
頼みごとを断れない
1つ目は「頼みごとを断れない」からです。
・頼まれると断れない
・断ろうとすると罪悪感がする
・困っている人人を放っておけない
・断ることで相手が困るのを想像し引き受けてしまう
・自分を後回しでつねに相手を優先してしまう など
HSPは先回りして考えることが得意です。
たとえ忙しかったとしても、断った先までを想像し、断ること自体に罪悪感がしたり、申し訳ない心境になったりし、引き受けてしまいます。
悩み事や困りごと、大変さやつらさがあっても、基本的に相手を優先してしまうため、限界量を超えてしまい、心身ともにつらくなりがちです。
空気を読むのに長けてストレスを受けやすい
2つ目は「空気を読むのに長けてストレスを受けやすい」からです。
HSPが仕事でストレスの限界を超えるのは、共感性が強いのも関係しています。
・あ、同僚の子が何か慌ててる。どうしたんだろう?
・先輩の口調が荒い。何かあった?お茶でも出したほうがいいかな
・後輩の電話が長引いている。トラブル?フォローしようか・・・
・蛍光灯がチカチカしてる。事務の人に連絡しようかな
・目標未達でチーム全体がピリピリしている! など
言葉になっていない非言語的コミュニケーションも、すばやく察知します。些細な情報から、無数の選択肢が浮かび、考えたり、気遣ったりと疲れやすいでしょう。
ギスギスした雰囲気やムスッとしている人にも気づき、自分事のように感じてしまう共感覚がストレスをさらに蓄積します。
悩みがあってもHSPは相談するのが苦手で、1人で抱えがちです。なぜなら相手の忙しさや相談による負担なども考えすぎてしまうことで、なかなか人に言えなくなるからです。
どんどん精神的に疲れや負担が大きくなり、つらさや限界へと近づいていきます。
些細なことにも傷つきネガティブ思考になる
3つ目は「些細なことにも傷つき、ネガティブ思考になる」からです。
上司からの些細な注意やお局様空のお小言も、HSPからすると大きなストレスになります。
・こんなこともできないなんて、自分はダメだ
・入社3年にもなるのに初歩的なミスをするなんて向いてないんだ
・注意散漫な自分はチームの足を引っ張ってるに違いない
・舌打ち!?嫌われているんだ。きっと不快にさせてしまったんだ など
1つでもうまくいかないことがあると、連想ゲームのように嫌なことやできないことに焦点が当たり、ネガティブ思考が持続しがちです。
強面の上司や威圧的な口調の先輩などが職場にいれば、仕事に集中できないくらいストレスになることも多いでしょう。
周りにとっては些細なことも、HSPにとってはまったく些細ではなく、ストレスや悩みのタネになるからです。
HSPで仕事するのがつらいときに取るべき対処法
HSPで些細なことばがぐるぐる脳内をループし、げんなりしていませんか?
HSPでもう仕事をするのがしんどいときには、つぎの3つの解決策がおすすめです。
- 有給休暇を使って、しっかりと心身を休める
- 睡眠や食事などの生活習慣を見直す
- もう働くのが辛いなら退職を考える
具体例を紹介していきますね。
有給休暇を使って、しっかりと心身を休める
1つ目の解決策は「有給休暇を使って、しっかりと心身を休める」ことです。
心が限界を迎えそうなときには、無理をせずに休息をとるのが一番です。
週末が近いなら、たっぷり土日に休みを取りましょう。週末まで時間が空いている場合には、欠勤や有給休暇を使うなどして、休んでOKです。
「同僚や先輩に仕事が割り振られて迷惑をかけてしまう」「急な休みなんて、申し訳ない」と思うかもしれません。
けれども、出勤していると気疲れや精神的な負担が蓄積するため、限界を超えてしまい、休職や退職をしないと働けなくなることもあります。
まずは、数日休んで、心身ともにリフレッシュしましょう。
自宅にいると、仕事の事を考えてしまう場合には、山や海などの自然あふれる場所に行って気分転換するのもおすすめです。
睡眠や食事などの生活習慣を見直す
2つ目は「睡眠や食事などの生活習慣を見直す」ことです。
仕事の悩みから、寝つきが悪くなっていたりしませんか?
睡眠不足や夜更しは、体内リズムの乱れの原因になります。昼夜逆転してしまうと、朝に起きられずに、仕事中に凡ミスをし、よけいに自己肯定感が下がってしまうかもしれません。
まずは7~8時間の睡眠時間を確保しましょう。質の良い睡眠は、セロトニン生成を促して、うつになりにくい体を培ってくれます。
人間関係や仕事の悩みによって、料理を作るのが面倒・献立を考える気力もない人は、超簡単な自炊ごはんをストックしましょう。
・玄米ご飯
・サバの味噌煮缶
・みそ汁(できたら具だくさんにする)
玄米には、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素がたくさん含まれています。さらに
玄米の油分に含まれる「γ―オリザノール」は脳内ストレスを減らす作用がある
ということも、最近の研究で分かっています。
また、サバにはたんぱく質やカルシウムが豊富で、EPA・DHAも多く含まれている食品です。DHAが増えることで神経を安定させ、セロトニン増加によるリラックス作用に期待できます。
できたら、野菜類を切ってみそ汁に入れれば、栄養バランスよく、ストレス軽減してくれる献立メニューを食べることができます。
疲れていても、炊くだけ、缶詰を空けるだけ、インスタントみそ汁にわかめや冷凍ネギなどを入れるだけなら、手軽に続けられるでしょう。
私もくよくよ悩みがちでしたが、玄米ご飯とみそ汁、定期的なサバの摂取をしたら、前よりもネガティブ感情を引きずりにくくなったように感じます。ぜひ試してみてください。
もう働くのが辛いなら退職を考える
3つ目は「もう働くのが辛いなら退職を考える」ことです。
退職だなんてオーバーだと思うかもしれませんが、うつになってからでは手遅れです。毎日仕事がしんどい、心が悲鳴を上げていると感じるのなら、決してオーバーではありません。
けれども気遣い上手なHSPにとって、いきなり退職を申し出るのは申し訳ないと心がざわめくかもしれません。あるいは、繊細な自分を責めたくなることもあるでしょう。
そんなときには、まず本音に目を向けてください。
- 今の仕事を続けたいですか?
- 今の職場でずっと勤めたいですか?
- 今の仕事をしていて幸せですか?
すべてYESなら迷わず続けましょう。答えられない、NOが多いなら、退職を真剣に検討しましょう。
HSPで退職したいけど言い出せないときの対処法
本音として辞めたい心境に気づいても、HSPにとって退職を言い出すのは、至難の業です。相手の立場で考えすぎて、何か月も時間が過ぎてしまうかもしれません。
そこで3つの対処法を取るのをおすすめします。
- 退職=逃げではないと考える
- 事前に退職理由をまとめて申し出る
- 考えすぎて言えないなら退職代行を利用する
このあと具体的に解説しますね。
退職=逃げではないと考える
1つ目は「退職=逃げではないと考える」ことです。
特に、入社して間もない会社であったり、人手不足の会社に所属していたりすると、罪悪感が強いかもしれません。
けれども、退職は決して逃げではありません。
退職することで、よりあなたに合った仕事を見つけて、職場に貢献したり、役立ったりすることができます。
「丸い釘は丸い穴へ」という言葉を、聞いたことはありますか?心理学者のパーソンズが提唱した特性因子理論になります。
丸い釘を四角い穴に入れようとしても、うまくはまりません。合わないからです。
同じように、どの人にも合う仕事環境や職業があり、自分の居場所に合う仕事を見つけることで、自分らしく働くことができます。
退職は自分に合う会社へ移る1つの転機であり、会社にとっても、より自社に合う人を招き入れる1つの機会と言えます。
逃げだと自分を責める必要は、これっぽっちもありませんよ。
事前に退職理由をまとめて申し出る
2つ目は「事前に退職理由をまとめて申し出る」ことです。
HSPは深く考えるのが得意です。だからこそ、いろんなことを考えすぎて、とっさにうまく言葉が出てこないこともあるでしょう。
退職を決めたのなら、事前に退職理由を用紙などにまとめて置き、すんなり言えるようにしておきましょう。
なお、退職理由や退職届の書き方に迷ったら、下記の書き方例をマネしてください。
考えすぎて言えないなら退職代行を利用する
3つ目は「考えすぎて言えないなら退職代行を利用する」ことです。
いくらシミュレーションをしても、上司を見た途端に言葉が出てこなくなるかもしれません。思考を変えようとしても、いきなり180度変えるのは難しいからです。
言い出しづらいときは自力で奮闘するよりも、退職のプロである退職代行サービスにお願いしましょう。
退職代行サービスがあなたと会社の懸け橋となってくれるので、自分で退職の申し出をする必要はありません。
退職にまつわる手続きも引き受けてくれるので、お願いをした後は完了の連絡を待つだけでOKです。苦手分野は得意な人に任せることで、負担なく退職が実現しますよ。
HSPが快適に仕事を続けるためにすべきこと
HSPには仕事をする上でストレスが溜まりやすいことに触れました。
実際に私もHSPで若いときにはとても仕事の事で悩みやすかったです。自信の経験を踏まえて、快適に仕事をし続けるためにすべきことをここでまとめました。
- 治そうとせずにHSPを理解して受け入れること
- 心の限界サインを知り、超えないように工夫すること
- HSPに向いている仕事に就くこと
- 1人で仕事を抱えすぎないこと
このあとエピソードを交えて、お伝えしますね。
治そうとせずにHSPを理解して受け入れること
1つ目は「治そうとせずにHSPを理解して受け入れること」です。
・傷つきやすい自分
・くよくよ落ち込みやすい自分
・感情の起伏の激しい自分
・些細なことも気になってしまう自分
・考えすぎて心が疲弊する自分 など
HSPとして生きるのは、なかなかしんどさもありました。そんな自分を変えようと奮闘し、いろんなチャレンジも積み重ねてきました。
でも、人の本質を変えるのは難しかったです。
心理学の本やさまざまな人との出会いを通じて、「どんな自分も自分自身だ」「受け入れよう」としたら、不思議と自分に対して温かい気持ちが生まれ、自己嫌悪が減りました。
完全に0にはなりませんが、それでも自分を理解しようと努め、自分を受け入れたら、無理して合わせて、人ばかり優先して自分をないがしろにすることが減ったのです。
精神的にだいぶ楽になりました。
だから、読んでくださっているあなたに「HSPは病気ではないので治そうとするよりも、HSPを理解して受け入れてほしい」と伝えたいです。
心の限界サインを知り、超えないように工夫すること
2つ目は「心の限界サインを知り、超えないようにする工夫すること」です。
困っている人がいると、どんなに忙しくても、精神的に疲れ切っていても、見過ごすことができないHSPの方も多いのではないでしょうか?
私もそのタイプで、とても苦労してきました。(笑)
では、そんな自分が快適に仕事するためにどうしているかというと「限界超えをしないような工夫」です。
まずは、心の限界サインを知るところから始めましょう。
・これがやりたい!という意欲がわかない
・最近心から笑っていることがない
・楽しめずに憂うつなことが多い
・自分を責めたり、否定したりする
・食欲がわかない/食べ過ぎてしまう
・眠れない/夜中に何度も目が覚める
・疲れが取れない
・人に会いたくない
・急に涙が溢れてくる
・苛立ちや悲しみを抑えられない など
あてはまる項目が少なかったとしても、2週間以上同じ症状が続いているときには、心が限界を迎えている可能性があります。
セルフチェックをして、危ないなと思ったらまずは休息をとってくださいね。
HSPに向いている仕事に就くこと
3つ目は「HSPに向いている仕事に就くこと」です。
HSPに向かない仕事がある一方で、向く仕事もあります。まずは、今の仕事が向いているのかを確かめてくださいね。
・体育会系の仕事
・家族経営や人との距離感が近すぎる職場
・ノルマや目標が厳しい仕事
・マニュアルやルールが曖昧の仕事
・殺伐とした雰囲気
・競争したり、蹴落としたりする職種
・怒声や騒音のある職場
・新規開拓営業
・施工管理
・飲食店のホール業務
・居酒屋の接客業
・アパレル等の接客業 など
接客業やサービス業もイレギュラーな対応が多く、とっさに決断できずに悩むことが多いでしょう。
ベンチャー企業や家族経営の会社は、従業員数が少なく、密なコミュニケーションによるストレスや心労につながりやすいです。
なお、家族経営を辞めたいけどやめられない悩みへの解決策は、下記にまとめていますよ。
反対に向いているのが次の通りです。
・デスクワーク
・大手企業
・人を助けたり、サポートしたりする仕事
・1つを突き詰めたり、研究したりする仕事
・クリエイティブな仕事
・ノルマや目標があまりない仕事
・マニュアルやルールが決まっている職場
・穏やかでフラットな雰囲気
・助け合い、協力し合う雰囲気
・事務職
・人事・経理
・研究職
・看護士
・ヘルパー
・セラピスト/占い師
・心理士/カウンセラー
・デザイナー
・ライター
・プログラマー/システムエンジニア
・動画編集担当者 など
多角的に考えることができるので、ライターや編集者、企画担当者やデザイナーなども適性があります。
細かい作業を突き詰めるのも得意なので、システムエンジニアやプログラマー、研究職にも向いているでしょう。
人と接する仕事なら、介護や医療などが向いています。営業も内容によっては適性がありますよ。私も合わない仕事から今の心理業に移って、ストレスは減りました。
自分に合う環境で働くことで、今より精神的に楽になり、仕事を続けられますよ。
1人で仕事を抱えすぎないこと
4つ目は「1人で仕事を抱えすぎないこと」です。
HSPは頼み下手・断り下手が多く、1人で仕事を抱えがちです。
悩んだときに気心知れた人に相談できればいいのですが、相手の忙しさや相談による負担などを考えてしまうと、よけいに相談できなくなりますよね。
私も以前は自分がやらなくてもいいことを引き受けてばかりで、本当にやりたいことへの時間が十分にとれないことがありました。
人や本との出会いを通じて、勇気を出して人に相談してみたり、自分以外でも問題ない内容はやんわり断ったりするようにしました。
でも、私が恐れていた人間関係の亀裂や衝突はあまり起きず、むしろ相談した相手が気遣ってくれたり、味方になってくれたりしたんです。
しかも、断ることで、私の体力的な負担や精神的な負担が減る結果に。
もっと早く人に相談しておけばよかった~と、のちに後悔しました。
快適に仕事をするために、ぜひ勇気を出して相談してみてください。一緒に悩みを抱えてくれる存在がいることで、今よりずっと快適に仕事ができますよ。
HSPが幸せに働きたいなら、性質に合う職場選びが肝心
HSPは洞察力に優れ、高い共感能力を持っています。だからこそ、空気を読みすぎて気疲れしたり、1人で仕事を抱え込んで疲弊したりしがちです。
HSPが幸せに働きたいのなら、共感力や多角的な想像力など、性質を活かすことができる職種や仕事環境を選びましょう。
向いている仕事に転職することで、能力を十分に発揮でき、新しい職場で役立つことができますよ。今の職場も、より合う人が就職して、お互いにハッピーな結果を迎えることも可能です。
自力で退職が言い出せないのなら、退職のプロにお願いするのをおすすめします。
退職代行サービスに頼むことで、あなたの代わりに退職の意向を伝えてくれて、待っている間に退職手続きを完了してもらえますよ。
まずは無料相談で心配事や不安なことを聞いてみるのをおすすめします。