この仕事は向いてないと言われたときの心のケアと対処法。心理士が解説します

上司から「この仕事向いてないんじゃない?」と言われ、落ち込んでいませんか?ミスが続いたり、覚えようとしても転職直後でできなかったりなど、自覚があればあるほど、ショックで自信を失いますよね。

 

そこで、心理士が「傷ついた心のケア」や「向いていないと言われた後の対処法」などをご紹介します。精神的なケアと現実的な行動面の両面から押さえて、つらくもんもんとする日々から抜け出しましょう。

 

上司からこの仕事が向いていないといわれたときの対処法

ストレス

上の立場の人から「向いてない」と指摘されると、自信を失い、やる気もなくなってしまいますよね。そこで、他者から指摘されたときの対処法を3つ紹介します。

 

評価や感じ方は人それぞれ。上司が正しいと限らない

まずは「評価や感じ方は人それぞれ」だと認識することです。

 

上司があなたは今の仕事に向いていないと感じたとしても、あなたの業務を四六時中見ているわけではありません。一部分を切り取ってみているにすぎないわけです。

 

たまたまミスをしている場面を抜き取ってみていれば、向いていない子だと判断するかもしれません。反対に見やすい資料を作成した直後なら「向いている」と評価されることもあります。

 

評価は個人差があり、絶対的な評価ではありません。上司が変わったり、指導指針が変わったり、評価者の気分や体調などによっても変動するものです。

 

上司の発言だからと気になりますが、つねに正しい発言であるとは限らないと覚えておきましょう。

 

記憶や習得のスピードの個人差と考える

2つ目は「記憶や習得のスピードの個人差と考える」ことです。

 

物覚えの良い―悪いは、個人差がとても大きいです。ある人は1か月ほどで一通りの業務を覚えるかもしれません。けれども人によっては半年ほどしてようやく覚えるケースもあります。

 

早くに仕事を覚えれば、活躍する可能性も高まりますが、細かな状況ごとの対処法までは記憶せず、最適な仕事ができないことでのちに悩むかもしれません。

 

記憶するまでに時間がかかる人は、細かなケーススタディや例外事例なども併せて覚え、のちに大活躍するケースもあります。転職直後や部署移動直後なら、向いていないのではなく、「まだ馴染んでいない」「まだ覚えきれていない」だけかもしれません。

 

 

 

強引な退職斡旋はむしろパワハラ。助けを求めよう

怒鳴る上司

3つ目は「強引な退職斡旋はむしろパワハラ」であることです。

 

「お前は向いてないから辞めたほうがいい」「いつ辞めるんだ」など、圧力をかけてくる上司がいるかもしれません。しかし、何度も退職について促し、強制的に辞めるように進めるのは、パワハラに該当します。職場に相談窓口がある場合には、利用して状況などを伝えましょう。

 

もし職場にない場合にも、相談できる窓口があります。

 

職場外で相談できる窓口

・みんなの人権110番
・労働局の総合労働相談コーナー
・法テラス

 

1人で悩まずに、専門家に相談して、対処してもらいましょう。

 

向いてないと言われ自信喪失。傷ついた心へのケア

感情

上司の主観的な評価であるとわかっても、グサッと心に刺さるものです。ショックのあまり、仕事への意欲が低下しているかもしれませんね。

 

そこで、心理士が傷ついた心へのケアをご紹介します。

 

つらい心境を打ち明けて、聴いてもらう

1つ目は「つらい心境を打ち明けて、聴いてもらう」ことです。

 

上司からの無神経な言葉があなたの頭の中で何度も反芻し、落ち込んでいませんか?つらい心境を昇華するためにも、気心知れた人に話を聴いてもらいましょう。

 

・うんうん、そうなんだね。
・つらかったね。大変だったね。
・それは悲しいね。 など

 

あいづちを打ちながら、話を聴いてもらうことで、心のわだかまりを解消することができます。心理学では「カタルシス効果」といいます。

 

グッと我慢してつらいのなら、否定されずに優しく聞いてくれる友人や家族に打ち明けてみるのがおすすめです。

 

「できない」ことより「できた」ことを書き出す

アウトプット

2つ目は「できない」ことよりも「できた」ことを書き出すことです。

 

上司から否定的な評価をされると、つい「できないこと」「ミスしたこと」など、良くないことばかりに思考が向きがちです。けれども、働く中でできるようになったこと、覚えられたこともきっとあるはずです。ぜひ一度書き出してみてください。

 

できるようになったこと例

・ファイリングのしかたを覚えた
・相手に合わせたメールが打てる
・見やすいレイアウトの書式が作れた など

 

書き出してみると、思いのほかできるようになったことが多いことに気づき、自信を取り戻せますよ。

 

実際に相談業務中に、このワークに取り組んでもらうこともあります。仕事でミスして自信喪失し、自己否定に走っていた相談者も、書き出してみるうちに「できたことがある」と気づいてくれました。

 

仕事中には褒められるよりも怒られることの方が多いからこそ、ぜひ「できた」ことを自覚し、自分で自分を褒めてみましょう。傷ついた心からの回復を早めてくれますよ。

 

しっかり7~8時間の睡眠をとり、休む

有給休暇

3つ目は「しっかり7~8時間の睡眠をとり、休む」ことです。

 

あなたは毎日何時間休んでいますか?つい寝る前にイヤなことがよぎってしまい、寝不足や睡眠の質低下を招いていませんか?

 

ぜひ寝る前に「今日あったよかったこと」を思い浮かべ、安らかな睡眠を得ましょう。睡眠時間が6時間を切ると、脳内疲労が蓄積したまま回復できず、ぐったりした起床になりがちです。積極的に7~8時間の睡眠をとりましょう。

 

適切な7時間以上の睡眠をとることで、疲れや精神疲労を解消できますよ。

 

自分でも向いてないと感じるときの対処法

残念

上司からの指摘された「向いていない」との言葉。内心で、「やっぱり向かないのかな」と自覚もあり、今後の行動で悩んでいませんか?

 

そこで、自分でも向かないと感じるときの対処法をご紹介します。

 

向いていない業務や場面を具体的に書きだす

1つ目は「向いていない業務や場面を具体的に書きだす」ことです。

 

あなたは「何が」向いていないと感じているのかを自覚していますか?この仕事が向いていないな、と漠然と感じているけれど、明確でない場合には、たとえ転職してラクになっても、くりかえすリスクがあります。

 

ぜひとも向いていない業務内容や場面を具体的に書きだしましょう。

 

【向いていないと感じる業務や場面例】

・単純作業が2時間以上続くとき → 飽きてミスが増える
・細かな数字の計算 → 大雑把なためミスが出やすい
・数字や成果にシビアな現場 → プレッシャーからミスが増える

 

自覚をすることで、転職先では「向いていない現場や仕事内容」を避けることができます。

 

得意を活かせる仕事や環境を理解する

2つ目は「得意を活かせる仕事や環境を理解する」ことです。

 

あなたが得意な仕事は何ですか?のびのびとあなたらしく働ける環境はどういった環境ですか?

 

これまでの仕事の経験を振り返り、いったん整理してみましょう。

 

【得意を活かせる仕事例】

・書類整理 → 事務系
・細かなことに気がつく → 対人業務
・1人で集中して取り組める職場環境 → テレワークや個人プレーできる現場

 

できることや得意なことを自覚することで、向いている職種や業種、職場環境の絞り込みができます。

 

とりあえず転職してしまい、また合わない仕事に就くのは避けたいところです。事前に得意を自覚して、向いている環境で自分らしく働きましょう。

 

退職を検討する

会社

3つ目は「退職を検討する」ことです

 

大手企業の場合には、ジョブローテーションや部署異動で向いている仕事に配属を変えてもらうことも可能です。けれどもベンチャー企業や中小企業の場合、そもそも希望する職種や向いている仕事内容が会社内にないことも多いでしょう。

 

その場合、退職をし、向いている仕事に転職したが賢明です。なぜなら、くり返し「向いていない」と言われると自信喪失ややる気低下で悪影響が大きいからです。

 

上司が直々に向いていないといい、あなたもそう感じるなら退職を検討するのをおすすめします。

 

すでに上司の態度や言動でストレスが溜まっているのなら、退職手続きを代行してくれる退職代行サービスに依頼し、代行してもらうのもよいでしょう。ストレスが蓄積する前に、行動しましょう。

 

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あなたが向かないと思うのなら退職・転職を検討しよう

会社で「この仕事向いていないんだよ」と言われるのは、とてもショックで、自信を失うには十分すぎます。けれども、急に辞めていいものか、どう対応したらいいのかと迷う人もいることでしょう。

 

あなた自身も向かないと感じているのなら、退職をし、得意が活かせる仕事で再就職することをおすすめします。向かない仕事をやり続けることは、ストレスになるからです。

 

退職手続きに不安があるのなら、退職代行に一任するのも1つです。1人で悩まずに、プロに任せて、次こそは適性を活かせる仕事で働きましょう。

 

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